結論から言うと高配当ETF投資を始めるなら米国株の『VYM』、『HDV』、『SPYD』の3択です。
ですので候補もギュッと絞ることができます。
この後の記事でわかりやすく説明するけど
『バランス型のVYM』、『防御型のHDV』、『攻撃型のSPYD』の中から自分に合ったものを選べばいいんだよ。
- 高配当ETFとは
- 高配当ETFの選び方
- 高配当ETFの始め方
この記事を読むと高配当ETFの魅力がわかると思います。是非最後までお付き合いください。
高配当ETFとは
- 高配当とは高い配当金を狙った投資商品のこと。
- ETF(イーティーエフ)は、「Exchange Traded Fund」の略で「日経平均」や「TOPIX」のような指数に連動して動く投資信託のこと。
この二つの組み合わせです。
例として日経平均に連動したETFを買ったとします。その際に日経平均が値上がりすれば、そのままETFも値上がりします。
ですので高配当株ETFは日経平均を買って配当金を貰えるイメージで覚えておきましょう。
個別銘柄で配当金を目指すより何倍もシンプルで簡単な投資になります。
現状、日本の高配当ETFは減配も目立つし、値上がりもいまいちで手数料も高いです。資産を伸ばすことに適してません。
ですので高配当ETFを買うなら米国株の一択となります。
高配当ETFの選び方
冒頭で紹介したとおり米国株の高配当ETFは、
「バランス型」「防御型」「攻撃型」から自分の投資スタイルに合わせて選ぼう。
では、それぞれのキャラ(特徴)を説明していきます。
VYM(バランス型)
VYMは米国のバンガード社が運営する米国高配当株ETFという名称で『FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス』のパフォーマンスへの連動を目指したETFです。
米国市場における配当利回りの高い株式428銘柄を中心に構成するインデックス。
より財務健全性が高い銘柄で構成されているため、REIT(不動産)は除外されております。
ではステータスを確認していきましょう。
ファンド名称 | バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) |
運営会社 | ヴァンガード社 |
連動指数 | FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス |
信託報酬 | 0.06% |
配当スケジュール | 年4回(四半期毎)3月、6月、9月、12月 |
ETF純資産総額 | 255.74億ドル |
設定日 | 2006年11月10日 |
銘柄構成数 | 428 |
配当利回り(SBI証券引用) | 3.08% (2021年2月11日調べ) |
配当利回り
配当利回りは3.08%とまあまあな水準。
その分428銘柄とかなり幅広く分散されています。
セクター割合
セクター割合は株価の変動が少ないヘルスケアや生活必需品を軸に不動産のような値の動きが激しい銘柄は排除していますね。
値動きが激しい銘柄を排除して3.08%の利回りを出しているなら十分だと思います。
428銘柄の分散投資が効いているので暴落に強いといえるでしょう。
信託報酬
ETFはプロが株の銘柄を選んで運用しているので費用(信託報酬)がかかります。
しかし、その費用は0.06%と他のETFに比べて最も安くなっています。
100万運用しても600円です。気にならないくらいの手数料ですね。
ちなみに日本株の高配当ETFの信託報酬は0.3%もあります。
100万運用して3,000円です。
10年来のパフォーマンス
2011年から右肩上がりで推移しています。
コロナの暴落後もしっかりと回復しているのもわかりますね。
長期的な値上がりに期待できるETFといえるでしょう。
特徴
特徴としてVYMは安定した配当金と連続増配を狙うことができます。
最近の成果ではコロナショック後でも前年比よりも高い4%の配当利回りを出しています。
配当利回りの安定感と連続増配に軸をおいたETFといえるでしょう。
さらに株の値が上がりにも期待できます。
配当金もしっかりと貰えて株の値上りも期待できる。トータルで見ると予想以上の成果を得られそうです。
総合評価
ゲームの世界で例えると攻撃と防御ができて中級魔法まで使えるというバランスタイプってところですね。
安定して資産を増やすことができそうです。
初心者や安定した投資をしたい方には最適です。
米国株は年4回、四半期後ごとに配当金を貰うことができます。
モチベーションを維持するには最適だといえます。
HDV(防御型)
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当ETF)はブラックロック社のETFの名称で、高配当の持続性が高い銘柄を集めることを目的としたETFです。
財務の健全性が高い75銘柄で構成されているため、ディフェンシブ性が高いといわれています。
ではステータスを確認していきましょう。
ファンド名称 | iシェアーズ 米国高配当株ETF(HDV) |
運営会社 | ブラックロック社 |
連動指数 | モーニングスター配当フォーカス指数 |
信託報酬 | 0.08% |
配当スケジュール | 年4回(四半期毎)3月、6月、9月、12月 |
ETF純資産総額 | 53.2億ドル |
設定日 | 2011年3月29日 |
銘柄構成数 | 75 |
配当利回り(SBI証券引用) | 3.99% (2021年2月11日調べ) |
配当利回り
配当利回りは3.99%とVYMより高いです。
75銘柄の分散投資ですので足を引っ張る銘柄も少なく利を伸ばせるイメージです。
セクター割合
ヘルスケアや生活必需品といった不景気に強いディフェンシブ(守備的)なセクターで構成されています。
エネルギーもディフェンシブセクターとされてますが、バイデン政権がエネルギー否定型なのが心配なところです。
しかし、HDVを占めている上位銘柄は連続増配を行っている銘柄ですので安定性は健在で防御型のETFといってよいでしょう。
信託報酬
信託報酬は0.08%とVYMよりも高くなっています。
ですが100万運用して800円ですので誤差ですね。
10年来のパフォーマンス
コロナ暴落からもう少しで回復するところです。
こちらもVYMと同じで右肩上がりで推移してますね。
今後の株価の値上りにも期待できるでしょう。
特徴
特徴としてHDVはVYMと同じぐらい安定性は確保できて、配当利回りはVYMより高く狙うことができます。
連続増配を行っている銘柄はディフェンシブ性に強く、コロナショックにおいても、下落幅を26.1%と低く抑えられています。 安定性のVYMは24.0%。
財務が優良な企業で構成されていますので、配当金が下がりにくく、景気の影響を受けにくいというメリットを期待できます。
さらに四半期に一度構成銘柄を見直し、財務健全性に問題があると判断される銘柄は除外し、入れ替えを行っているのがポイントです。
利回りも4%台と高めで守った後にはしっかり反撃もできてますね。
総合評価
ゲームの世界で例えると反撃も狙える防御タイプというところです。
防御タイプは高難度のボスを攻略できる反面、通常攻略が鈍足なところがあります。
不況に強い反面、好景気(ボーナスステージ)で一気に攻めれないイメージです。
景気に左右されず資産を増やしたい方におすすめです。
SPYD(攻撃型)
SPYDはステート・ストリート社が運営する米国高配当ETFで『S&P 500高配当指数(S&P 500 High Dividend Index)』のパフォーマンスへの連動を目指したETFです。
配当利回りの高い約80銘柄で構成されているため、米国の高配当ETFの中でも配当利回りが高くなっています。
ではデータを見ていきましょう。
ファンド名称 | SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF(SPYD) |
運営会社 | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・マネージメント INC. |
連動指数 | S&P 500 高配当指数 |
信託報酬 | 0.07% |
配当スケジュール | 年4回(四半期毎)3月、6月、9月、12月 |
ETF純資産総額 | 20億ドル |
設定日 | 2015年10月21日 |
銘柄構成数 | 80 |
配当利回り(SBI証券引用) | 4.65% (2021年2月11日調べ) |
配当利回り
配当利回りは4.65%とVYM、HDVより高いです。
配当利回りだけでいうと米国高配当ETFの中でトップクラスの性能です。
セクター割合
景気に左右されやすい不動産や金融が高い比率で入っており、好景気時に強いオフェンシブ(攻撃的)なセクターで構成されています。
S&P500は高配当上位80銘柄に約1.25%ずつ均等に分散投資していますが、米国不動産は値動きが激しいことで知られていますので、ややリスクは高めです。
ですが、今日までの平均配当利回りは4%以上で、コロナ後でも配当利回り4.95%をたたき出しており、ハイパフォーマンスは出せています。
高い配当利回りを求めることができる攻めのETFといえるでしょう。
信託報酬(手数料)
信託報酬は0.07%とVYMとHDVの平均です。
100万運用して700円です。本当に安いですね。
10年来のパフォーマンス
2015年に登場したばかりですので10年来のパフォーマンスはまだありません。
データがまだ少ないので未知数というところです。(ですので図は株価を参照しております。)
株価は回復基調ですが、コロナショックからまだ立ち直れていないことがわかります。
特徴
特徴としてSPYDは株価の安定性は低くいが高い配当利回りを狙うことができます。
とにかく配当金が欲しい人におすすめです。
しかし、株価の安定性に難ありです。
コロナショックにおいて、VYMやHDVにに比べて下落率が大きいという事実が明らかになりました。
というのも2015年に登場したばかりの新しいETFでしたので暴落にどれぐらい耐えられるか未知数なところがありました。
今は復活基調ですが、2020年はSPYDだけ減配になっており、「投資家の信頼を取り戻せるか」というところが注目です。
年2回リバランスをして銘柄を組み入れしてるので、コロナ暴落の経験をもとに適切な銘柄の組み入れに成功すれば今後の安定に期待できそうです。
まだ、登場したばかりですので様子を見たいところです。
総合評価
ゲームの世界で例えると防御を捨てた攻撃全振りの攻撃タイプです。
アタッカーとしてはトップクラスですが、打たれ弱いところが考えどころです。
しかし、コロナ暴落を経験したのは大きいと思います。
現在は復活兆候であることを見ればこれから期待はできそうです。
コロナ前は絶賛の嵐で、配当利回りの破壊力だけは本物でしたので見捨てるにはまだ早いと思います。
購入を考えているなら防御型のHDVと組み合わせると安定しそうですね。
高配当ETFの始め方
米国高配当ETFを始めるならSBI証券か楽天証券で始めよう。
- 楽天証券は楽天ポイントで株や投資信託を買うことができる。(今回の米国ETFは楽天ポイントは使えないので注意)
- SBI証券は自動入金、引き落としが便利。
どちらも業界トップで安心ですし、双方メリットはあるので悩んだら2つとも開設しよう。
どうしても一つにしぼりたいならSBI証券です。
SBI証券はフルオート(全自動)の積立投資に向いてますので悩んだらSBI証券で問題なしです。
以下のような手順でサクッとできます。
ホーム画面から外国取引ボタンを押す。
VYMで検索して、定期ボタンを押す。
あとは画面のように入力して月にいくら投資したいか金額を入力すれば終わりです。
これで毎月自動でETFを買ってくれます。
投資商品は一気に買わず、毎月3万ずつ買うというような積立方式でリスクを下げましょう。
ドルコスト平均法に基づき高値づかみを防止することができます。
まとめ~自分に合ったETFを選ぼう
今回は高配当ETFとして米国株のETFを紹介してきました。
もう一度、各ETFの特徴をおさらいしてみましょう。
VYMはバランス型のETFで抜群の安定性を持っています。
連続した配当利回りや株価の値上がりによるトータルリターンを期待できます。
これひとつで完結しているので悩んだらこれだけ買っていれば大丈夫です。
HDVは防御型のETFで財務健全性銘柄で守りに徹しています。
高めの配当利回りと安定した株価で着実に資産を増やすことに期待できます。
高配当と株価の安定の両立を目指すならHDVが選択肢になります。
SPYDは攻撃型のETFで何よりも高配当利回りを優先しています。
安定した株価は目指せませんが、トップクラスの高配当利回りに期待できます。
高配当だけが欲しいならSPYDが選択肢に入ります。
SPYDの購入を考えているならHDVと組み合わせて安定させることをおすすめします。
VYMとHDVの組み合わせでVYMの配当利回りをカバーするのもありですね。
自分の好きなように組み合わせて見るのも面白いかも知れません。
こんな感じで選んでみましょう。
その時でも防御を固めていたら回復できるし、好機がきたら攻撃に転じることもできるよ。
どんどん攻略していけばレベルが上がるように資金も増えていきます。
あとはどうやって攻略をすすめるか3タイプの中から選びましょう。
最後に投資は余剰資金で無理のない範囲でしっかりと悩んで決めましょう。
投資の判断は自己責任でお願いします。
以上となります。今回の記事で少しでも高配当ETFに興味をもっていただければ幸いです。
今日も幸せな未来を目指してがんばりましょう。